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< ドア >



あの日。





私はたったドア一枚の隔たりに、泣いたんだ。





雪の降る静かな午後。

初まりは、ノックの音。





次に届いたのは、遠慮がちな“あなたの声”だった。





彼方に交わした約束が、鮮やかによみがえる。

微笑ましい、あなたとだけの優しい記憶。





今ではもう、笑えなくて......刹那にして、掻き消した。







―――昔も、今も、大切な...あなたの為に。







もしも時が許すのなら...



離したくなかった小さな手を





大きくなった今でも、繋いでいたい。







私を呼ぶ、声がする。



手離したはずの、あなたの声が...







―――優しくて、温かくて...







だけど今の私には

そんなあなたの声さえも、痛みを与えるから...





耐え切れなくて、耳を塞いだ。







―――それでも響いた、私の呼び名。







あなただけが、呼んでくれた。







あなたにしか...呼ばれたくなかった。







短い、沈黙。







この先にはあなたがいる。



あなたしか、いないんだ。







ただそれだけで......ドアに触れた、雪は溶ける。







体は、動く。

私の意志と逆らって...





だけど私は臆病だから...ドアの前で、総て止まった。





最後に聞こえた、あなたの声。



それは...私だけを、求めて去った。







温もりだけを残したドア。



たった数cmのドア。







私にとって...天の川より、遠く感じた。







それに縋って、私は泣く。



声を殺して、想いを噛み締めて...











それは雪が舞い降り始めた、とても静かな...午後だった。


















お友達のLight.Color.A.Epochさんから頂きました☆
UPするのが遅れてしまってすみません(>_<;)


私が書いた「せつなにっき。 +雪の日+」
をイメージして書いていただいて……(T_T*)
本当に嬉しいです! ありがとうございます!
自分だけでは見えなかった二人の気持ちや
そのときの切ない世界が広がりました。

刹那の本当の気持ち。
どれだけのばしても、ほんの少しの隔たりが妨げて、触れることすら出来ない。
苦しくて悲しい、そんな想いが伝わってきて、
本当にせつない詩です。

でも、これだけの想いがあったからこそ、
やっぱり今の二人の結びつきが強いんだな、
と思えます。


雪や天の川など、印象的に使われている言葉が綺麗で
胸に染み込んでくる様な詩でした(^^)


素敵な詩を本当にありがとうございました!

2006.3.2



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